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2004/06/23

生き恥さらそう

 ウチには"菜莉(なり)"という名の、背側は茶色でアメリカンショ-トヘアのバタフライもみごとなクラッシックタビー、腹側は純白という混血雑種の雄猫がいました。一昨年の12月24日の午前2時頃、息を引き取りました。14歳でした。猫AIDSを発症し、水のような下痢が始まったと思ったら、たったの2週間で逝ってしまいました。1週間、動物病院に入院しましたが手の施しようがなかったらしく、獣医師も自宅で死なせた方が幸せだと判断したのでしょう。逝ったのは動物病院から戻ってきてから数日目だったと記憶しています。
 見た目は「エサをちゃんと与えてるのか?」と疑われるくらい痩せっぽっちでしたが、全身筋肉の塊で、持ち上げてみると他のどんな猫よりも重たい身体をしていました。3種混合ワクチンは接種しており、性格は温厚で平和主義の猫でしたが、広大な縄張りを持つボス猫として君臨していたので、阪神大震災の仮設住宅から流れ込んで来た猫との間で、頭部の皮膚を失う程度の壮絶な死闘は日常茶飯事でした。その時に感染したのでしょう。夏には腐臭のひどい血膿を顔中から滴らせていました。
 死に際、一声大きく鳴いて息を引き取りました。「ありがとう」と言ったような気がしてなりません。脱水症状で痩せこけてはいましたが、死に姿は健常だった頃のままでした。親孝行(飼い主孝行?)な死にざまでした。あの堂々としていた菜莉も、今は骨壷の中にこじんまりと納まり、お気に入りだったテレビ台の上でこちらを見ています。
 実は今夜、私は自殺を決意していました。なにもかもつまらなくなってしまったからです。死ぬことばかり考えながら布団の中でウトウトしていたら、夢の中で菜莉が枕元を横切りました。足音や気配など、やけに現実味のある夢で、思わず頭を上げて菜莉の姿を探したほどでした。
「死のう。菜莉も呼んでるし」と考えた、まさにその瞬間も瞬間、一発だけの突き上げるような大きな地震が起こったのです。菜莉が「俺は呼んでねぇ!」と怒って暴れたような勢いでした。怖かった…
 菜莉の遺影の前に行き「もう少し、生きてもいいかな?」と語りかけました。もちろん写真は何も語りません。もう少しだけ、生き恥をさらすことにします。

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