« 病に克つ! 虫垂炎2 | トップページ | 田崎真也セレクション »

2005/06/10

病に克つ! 虫垂炎3

 昔は「盲腸」と呼ばれていた虫垂炎。なじみのある病気だが、誤解が少なくない。たとえば、「スイカの種を食べると、盲腸(虫垂炎)になる」と言われた人も多いだろう。ヨーロッパでも「ブドウの種を食べると盲腸になる」と言われる。
 これは、19世紀にヨーロッパで虫垂炎の手術が行なわれるようになり、壊死(えし)を起こした虫垂をブドウの種と見間違えたことから広まった俗説。虫垂炎は細菌感染が原因で、スイカやブドウの種が詰まっても虫垂炎は起こらない。
 また、盲腸(虫垂)は退化した器官とされ、無用の存在のたとえに使われることがある。だが、最近の研究によると、虫垂は発達したリンパ組織を持ち、腸内細菌のバランスをとるという大切な役割を担っていることが分かってきた。
 のどの扁桃腺(へんとうせん)は外部からの細菌の侵入を監視しているが、虫垂は働きも構造も扁桃腺に近いことから「腸の扁桃腺」と呼ばれることもある。ただし、手術で虫垂を切除しても、腸内の免疫機能が低下したという報告はない。虫垂がなくなると、小腸や大腸のリンパ組織が肩代わりするからだと考えられている。
 一方、虫垂炎の手術の後で、「おならが出たら全快」という話を聞いた人もいるだろう。虫垂が炎症を起こすと、腸内の食べ物やガスを送る蠕動(ぜんどう)運動が行なわれなくなる。手術が成功して炎症が治まると、蠕動運動が再開されて、腸内にたまっていたガス、つまり、おならが排泄されるというわけで、これは本当の話だ。

|

« 病に克つ! 虫垂炎2 | トップページ | 田崎真也セレクション »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11205/5357778

この記事へのトラックバック一覧です: 病に克つ! 虫垂炎3:

« 病に克つ! 虫垂炎2 | トップページ | 田崎真也セレクション »